結論
- 初期の静かな買い集めは、市場データ上のシグナルが弱く、単独指標では見落としやすい。
- 一方、買いが加速して市場が反応し始めた局面は、抽出しやすい(検知の主戦場)。
- 実務では、出来高ZスコアとCLVを組み合わせた2段階アラーム(レベル1・レベル2)で過検知を抑えつつ運用する。
要旨
アクティビストの初期買い集めについて、大量保有報告書の提出までの短期間に市場データから“ノイズ”を捉えられるかを検証する。TOPIXを用いた市場モデルで日次異常リターン(AR)を算出し、出来高のZスコアとCLVを組み合わせて2段階のアラームを設定する。
この資料で扱うポイント
- 市場モデル(TOPIX単回帰)によりARを算出し、日次で異常を測る
- 出来高は回転率のZスコア、引けの強さはCLVで補完する
- アラームはレベル1とレベル2の2段階で判定する
- 手法の得意領域は「静かな初動」より「出来高も伴う加速局面」の捕捉
- アラームは決算、自己株取得、指数リバランス等でも生じ得るため、ニュース・開示等で補完して解釈する
目次
- 目的
- 手法
- アラーム設計
- ケース
- 限界と実務上の使い方
本稿で使う主な指標
- AR(異常リターン):市場モデル(TOPIX単回帰)で説明される範囲を超えた日次の動き。
- 出来高Zスコア:出来高が平常時からどれだけ乖離しているか(異常度)。
- CLV:ローソク足の終値位置から、引けの強さを補助的に評価する指標。