事業会社とファンド等による共同投資について

結論

  • 共同投資は、事業会社が少ない自己資本で戦略的シナジーを狙いながら、リスクと資金負担を分散しやすい。
  • 設計の勘所は、当初はマイノリティで柔軟性を確保し、準備が整った段階で段階取得により連結化する流れにある。
  • コール・プットオプション等は、支配・リスク配分・出口条件を明確にできる一方、連結化のタイミングや会計上の見え方(PL、OCI、資本)に影響するため、設計意図と会計影響をセットで整理する。

要旨

事業会社がファンド等の金融投資家と組んで共同買収を行う「共同投資」について、過去事例の整理と、参画する事業会社の狙い(資本効率、リスク管理、シナジー獲得)をまとめる。加えて、アドバンテッジ・パートナーズ(AP)等とユーグレナがキューサイを取得した案件を取り上げ、当初マイノリティ出資から段階取得で連結化した背景と、コール・プットオプションを含む設計意図を整理する。

この資料で扱うポイント

  • 共同投資の主な事例(過去10年程度)と、抽出条件(議決権取得を伴う案件に限定など)。
  • 共通の狙い:少ない資本で戦略的シナジーを狙い、段階取得オプションで失敗時の損失を限定し、金融投資家の経営資源(交渉力、人材、資金力、ネットワーク等)を活用する。
  • 当初から連結子会社化する場合:フル連結による統合効果の最大化、J-GAAPの部分のれん、連結後の非支配株主持分の追加取得は原則として資本取引(PL影響なし)。
  • 当初はマイノリティ出資(連結外)に留める場合:デット(LBOデット含む)を連結外とし、レバレッジ・格付への影響を抑えつつ、持分法損益で利益寄与を取り込む設計。
  • キューサイ案件:当初はAP等が過半を持つSPCで取得し、ユーグレナは資金調達と連結対応準備を踏まえて持分を段階的に引き上げ、49%で連結化。残りは将来取得のオプションとして設計。

目次

  • 1. 共同投資の概要と主な事例
  • 2. 参画する事業会社の目的・効果(共通論点)
  • 3. 連結子会社化を前提とする設計のポイント
  • 4. マイノリティ出資に留める設計のポイント
  • 5. ケーススタディ:AP・ユーグレナ等によるキューサイ買収
  • 6. 座組とオプション設計に関する考察

用語

  • 共同投資:事業会社と金融投資家が組んで買収する枠組み
  • 段階取得:持分を段階的に引き上げて支配を得る取引
  • 連結化:支配を得た結果、連結財務諸表に取り込むこと
  • コール・プット:将来の買い取り・売り渡し条件を定める権利
  • 連結外(マイノリティ):当初は連結対象にせず柔軟性を残す状態

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